読書の秋に読みたいバイク小説を紹介

高校生の初々しさが好ましい「天竜川高校 竜競部!」

バイクが好き、ツーリングが好きという人でも、雨が降ったり台風シーズンが来たりするとなかなかバイクで出かけられないものです。
秋は紅葉の季節でツーリングには最適のシーズンですが、お天気の悪い日には家でじっくりと読書をするのも悪くありません。

バイクが出てくる小説の中でも特におすすめなのは、「天竜川高校 竜競部!」です。
作家の郁子匠(うべ たくみ)はアマチュアのバイクレーサーとしても活躍していたライダーで、その体験を生かした「レーシング・ドリーマーズ(後に「レーシング少女」に改題)」で第6回ジャイブ小説大賞に入選しています。

「天竜川高校 竜競部!」は2017年にマイクロマガジン社から発売され、話題を呼びました。
主人公の今村心は新入生歓迎会で「竜競部」のバイクスタントを見てバイクに興味を持ちます。
恐る恐る竜競部の門を叩いた心は、美人部長の瘧師京子に出会うのでした。

バイクに乗らない人にもおすすめのサラリと読める「風と旅とオートバイ」

斎藤純の「風と旅とオートバイ」も、短編集で手軽に読める一冊です。
作家の斎藤純はHONDA CB1100EXを操るライダーで、2009年には岩手町立石神の丘美術館芸術監督に任命されるという一面も持っています。
小説「風と旅とオートバイ」の他にノンフィクション「オートバイ・ライフ」、「ツーリング・ライフ 自由に、そして孤独に」、そして「オートバイの旅は、いつもすこし寂しい。」などの著作もあります。
「風と旅とオートバイ」は、バイクに乗らない人でも楽しめる、爽やかな一冊です。

HONDAワルキューレを愛車に持つ山田 深夜の「千マイルブルース」

「千マイルブルース」は、HONDAのワルキューレを愛車にしている作家である山田深夜が2005年に発表した作品です。
20年間京浜急行電鉄に勤めた自分をだぶらせ、バイクに乗りながら自分の人生を見つめ直す男のエピソードなど、どこか不器用でアウトローな感じが漂う主人公たちが登場する短編が詰まった一冊です。
バイク好きなら、共感する部分も多いのではないでしょうか。
本作以外にも、山田深夜は講談社から「ひとたびバイクに ツーリングを愛する者たちへ」などを出版していますので、合わせて読んでみるのもいいでしょう。
バイクを通して描かれる人間模様やライダーたちの人情をしみじみと味わうことができます。

ちなみに、HONDAのワルキューレ(Valkyrie)はアメリカンタイプのオートバイで、1996年から2003年にかけて製造されていました。
ゴージャスなデザインは、バイクファン垂涎の的となっています。

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