BMW R nineTの特徴

ドイツ

BMW製バイク

BMWというと、日本人のほとんどは高級車を思い浮かべる人が多いのですが、バイク乗りはボクサーツインを連想します。
以前は空冷ヘッドがサイドから突き出たRシリーズが、BMWを代表するバイクでした。
クランクケースより突き出ていますので、当然バンク角は他メーカーより劣りますし、空冷では十分な性能が維持できません。

そのため1982年に水冷直列エンジンのKシリーズが登場しました。
登場当初はRシリーズに比べ人気は低迷しましたが、最新技術を惜しみなく投入し続け、現在はこちらが主流となっています。

BMWのバイクは常に最新の技術が投入され、バイクにおいても高級品でした。
そのせいもありカスタム(改造)のベースモデルとしては、まったくといってよいほどに扱われていません。
その対極にあるのがハーレーダビッドソンで、エンジンも含めその変化のないスタイルはカスタムベースとして世界中で普及しました。

最後であり初

R nineTはBMW伝統のRシリーズであり、そして最後といわれる空冷ボクサーツインエンジン搭載モデルでありながら、BMW初のカスタムの世界に参入したモデルです。
通常、メーカーはカスタムを推奨はしません。

購入した後は個人の自由であり、カスタムショップの自由なのですが、メーカー自らがカスタムを推奨するのはハーレーくらいです。
まれにメーカー自身がカスタム車を販売するか、メーカー直結の会社がカスタムを販売するかくらいで、いずれも限定車として販売されます。

メーカーが販売する形が完成系であり、カスタムを行うと安全や性能の保証はできない。
メーカーはそう考えるのが普通なのです。

技術の最先端を歩んできたBMWも、当然そのような考えを持っていました。
ですが2013年BMW創業90周年を迎えたこの年、1973年に登場したR 90 SをモチーフとするConcept 90が発表されました。

このモデルは世界的に有名なハーレーのカスタムビルダーとの共同デザインで、その年のミラノショーでは市販化が期待されていました。
ですが登場したのはR nineTであり、このバイクをベースとしたカスタムバイクがConcept 90だったのです。
そのためR nineTはカスタムを楽しむバイクであるとBMWに打ち出された唯一のバイクであり、世界中のカスタマーに愛されています。

カスタムだけではない

カスタムベースとして人気が高いR nineTですが、最先端とはいえないまでもそれまでのバイク技術のノウハウが注ぎ込まれており、バイクとしてのポテンシャルは低くはありません。
前後ブレーキはブレンボで、ABSを装着しており、フロントは倒立サスと、足回りに不安はありません。

車重は222kgと、ネイキッド2気筒としては重量級のようですが、ボクサーエンジンの特性と搭載位置、そしてエンジン特性ゆえに、重さを感じることなく軽快に扱うことができます。
そのためカスタムも良いのですが、ノーマルで乗っても不自由に感じることは決してありません。

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