名曲「15の夜」で盗まれたバイクとは

名曲「15の夜」とは?

バイクが出てくる歌は多く、特に有名な歌というと、若くして亡くなった尾崎豊さんの曲、「15の夜」が有名です。
今、40~50代くらいの年齢のお父さん、お母さん方は、尾崎の天才的な歌作り、また歌唱力、人間的な魅力に引き付けられ、葬儀の時には「尾崎!!」と叫んだ若者の姿が印象に残っています。

尾崎豊さんの楽曲には15の夜のほかにもたくさんの名曲があり、現代の多くの歌手がリメイクしていることでも有名です。
現代聞いても、心にぐっと刺さるような歌詞が多く、古さを感じさせないといわれています。
さて、この15の夜ですが、バイクのフレーズが出てくるのです。

「盗んだバイクで走り出す 行き先も解らぬまま」というフレーズですが、この盗んだバイクってどのバイクだ?と気になる方も多いといいます。
歌の中のことだから空想の世界じゃないの?と思いますが、実はこのバイク、モデルがあるのです。

尾崎が語った15の夜の盗んだバイクとは

この歌の「盗んだバイク」のモデルですが、のちに尾崎豊さんが語っています。
ええ?と思ってしまいますが、実はヤマハのパッソルという原付バイクなのです。
尾崎のイメージからすると、やはりCBなどのネイキッド系統のバイクが浮かびますが、盗んだバイクはパッソルということで、歌で空想を膨らませていた人の中にはがっかりする人も多いといいます。

しかし・・・よくよく考えてみると、この歌は15歳の男の子をうたっているのです。
15歳といえばバイクの免許も持っていない年代、そんな男の子がCB、Zなどのネイキッドバイクに乗るはずもなく、パッソルならなるほどと納得できます。

なぜ?パッソルだったのか

しかし数ある原付バイクの中から、どうしてパッソルだったのかということも気になります。
当時、HY戦争(1979年ごろから1983年くらいまでホンダとヤマハがオートバイ市場で激しくしのぎを削ったことをいう)激戦時代で、この時代、急先鋒となっていたのがパッソルです。

パッソルはコストも低く投げ売りという状態だったため、盗難防止策なども全く練られていないバイク、つまり盗みやすかったといえます。
鍵穴が回るものならすぐに盗むことできる、ただ安いバイクだったので盗まれた本人も、また買えばいいくらいに思っていて、ほとんど自転車感覚だったようです。

尾崎豊ファンは今も本当に多く、カラオケなどで尾崎を知らない世代、若い世代が歌っているのを聞くこともあります。
愛され続けている名曲、15の夜、盗んだバイクはパッソルだったというイメージがちょっと崩れてしまいそうな感じもありますが、パッソルだからこそ、当時の尾崎の気持ち、暮らしてきた環境や世代などがわかるということも言えるのです。

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